再開発エリアの見つけ方|将来値上がりする地域の探し方

不動産投資の王道は「毎月の家賃収入(インカムゲイン)」をコツコツと積み上げていくことです。しかし、多くの投資家が心の奥底で密かに狙っているもう一つの巨大な果実があります。それが「物件や土地そのものの価値が上がり、売却した時に得られる莫大な利益」、すなわち「キャピタルゲイン(値上がり益)」です。

日本全国の人口が減少に向かい、全体的な地価が長期的に下落トレンドにある中で、キャピタルゲインを狙うことはギャンブルに近いと言われることもあります。しかし、そんな逆風の中でも、ピンポイントで地価が急上昇し、家賃相場が跳ね上がる「魔法のエリア」が確実に存在します。それが【再開発エリア】です。

「ここに新しい巨大な駅ビルができるらしい」「新線が開通して、都心直結のターミナル駅になるそうだ」。こうした情報は、ニュースや新聞で大きく報じられた時には、すでに不動産価格に織り込まれて(高騰して)おり、初心者が手を出しても旨味は全く残っていません。プロの投資家は、街の景色が変わる何年も前の「水面下」の段階で、行政や企業の一次情報から再開発の兆しを読み取り、誰よりも早く、そして安く物件を仕込んでいるのです。

本記事では、約の特大ボリュームで、街の価値を劇的に押し上げる「再開発」の本当のメカニズムから、誰でも無料でアクセスできるのに誰も見ていない「お宝情報の探し方(都市計画・鉄道会社)」までを徹底解説します。さらに後半では、初心者が陥りがちな「噂層にとらわれた大失敗例」と、緻密なリサーチに基づく「鮮やかな成功例」をシミュレーション形式で生々しくお伝えします。この記事を読めば、あなたの住む街や狙っているエリアが隠し持つ「爆発的なポテンシャル(将来性)」を、データに基づき正確に予測するスキルが身につくはずです。

再開発とは

そもそも、不動産投資における「再開発(市街地再開発事業など)」とは、具体的にどのような現象を指し、なぜそれが地価と家賃を強烈に押し上げるのでしょうか。

街の「機能」と「動線」が劇的に変わる魔法

再開発とは、老朽化した木造密集地域や、利用効率の低い駅前の雑居ビル群などを行政や民間ディベロッパー(大手不動産会社など)が一体的に買収・整理し、巨大な商業施設、タワーマンション、バスターミナル、オフィスビルなどへと「街ごと作り変える」巨大プロジェクトのことです。

再開発が行われると、そのエリアには以下のような劇的な変化が連鎖的に起こります。

? 大型商業施設(ショッピングモール等)ができることで、周辺住民の「利便性」が飛躍的に向上する。
? 新しいオフィスビルができることで、そこに勤める高所得なビジネスマンの「新たな賃貸需要」が生まれる。
? 駅前ロータリーや歩道が整備されることで、街全体が綺麗になり、女性やファミリー層からの「治安面での人気」が高まる。

つまり、再開発とは単に新しいビルが建つということではなく、「その街に住みたいと思う人の数(需要)」が一気に掛け算で爆発する現象なのです。需要が供給を圧倒的に上回るため、周辺の古い賃貸アパートであっても入居希望者が殺到し、「家賃相場」が数千円から数万円単位で底上げされます。家賃(インカム)が上がれば、不動産の利回り計算の逆算によって、物件や土地そのものの「売却価格(キャピタル)」も自動的に数百万〜数千万円単位で跳ね上がるという好循環が生まれるのです。

情報の探し方

再開発の威力が分かったところで、最大の問題は「その情報をどうやって、ニュースになる前に見つけるのか」です。テレビの報道番組やポータルサイトの「住みたい街ランキング」を見てから動いたのでは100%遅すぎます。プロの投資家が血眼になって読み込んでいる、2つの最強の「一次情報ソース」を解説します。

? 行政の「都市計画マスタープラン」を読み解く

一つ目の宝の山が、各自治体(市区町村)の公式ホームページにひっそりと公開されている「都市計画(マスタープラン)」や「立地適正化計画」といった行政の公文書です。これらの資料は非常に文字が多く退屈に見えますが、ここには「行政が今後10年〜20年かけて、この街のどこに税金を集中投下し、どこを衰退させるか」という恐ろしいまでの「街の未来図(答え)」が明確に書かれています。

【見るべきポイント:用途地域の変更と容積率の緩和】
特に注目すべきは、「用途地域(その土地に建てられる建物の種類)」や「容積率(敷地に対してどれくらいの巨大な建物を建てて良いか)」の変更計画です。例えば、今まで「第一種低層住居専用地域(戸建てや2階建てアパートしか建てられない閑静なエリア)」だった駅前の土地が、「商業地域(高いビルやタワーマンションが建てられるエリア)」へ変更される、あるいは容積率が200%から400%へと大幅に緩和されるといった記述案を見つけたら大チャンスです。

これは行政が「ここに高いビルを建てて、街の中心地にしますよ」と宣言しているのと同じです。近い将来、大手ディベロッパーが必ず動き出し、巨大な複合施設が誕生します。この行政の「決定事項」がまだ住民に広く認知されておらず、駅前の古い戸建てやアパートが平時の価格で売りに出されている「空白の期間(タイムラグ)」に物件を買い叩くのが、キャピタルゲインを狙う投資家の鉄則です。

? 「鉄道会社」の中期経営計画とプレスリリース

もう一つの強力な情報源が、そのエリアを走る「鉄道会社(JRや私鉄各社)」のIR情報(投資家向け広報)です。鉄道会社は、単に電車を走らせているわけではなく、駅ナカの商業施設や沿線の宅地開発を行う「日本最大の不動産ディベロッパー」でもあります。

【見るべきポイント:新駅設立・相互乗り入れ・駅舎の改良】
鉄道会社のホームページにある「中期(3〜5年)経営計画」や「事業計画書」のPDFファイルを熟読してください。そこには、「○年度までに、A線とB線の相互直通運転を開始する」「老朽化したC駅の駅舎を、商業施設一体型の駅ビルへと建て替える」「D駅とE駅の間に新駅を開業させるための調査費を計上した」といった、街の動線を根本から変える超ド級のプロジェクトが、投資家向けにサラリと記載されています。

特に「相互乗り入れの開始(例:私鉄が地下鉄に乗り入れて、乗り換えなしで都心に行けるようになる)」「急行や特急の新規停車駅への格上げ」は、その駅の利便性を一変させます。今まで「都心から遠くて不便な各停の駅」として家賃相場が安かったエリアが、突然「都心直結のターミナル駅」へと大化けするのです。鉄道会社の公式発表は、行政の計画以上に実行の確実性が高く、素早く物件価格に反映される最高純度の先行指標となります。

失敗例

再開発を狙う投資はリターンが大きい分、リスクや罠も無数に存在します。「再開発の噂」だけを頼りに物件を高値掴みしてしまった、初心者の典型的な大失敗シミュレーションを見てみましょう。

「噂先行」で高値掴みしたAさんの悲劇

サラリーマン投資家のAさんは、ある日不動産屋からこんな未公開物件を持ちかけられます。
「Aさん、ここだけの話ですが、郊外の○×駅の北口に、数年後に巨大なショッピングモールができるという計画が地元で出回っています。今この駅徒歩15分の中古アパートを3,000万円(利回り6%)で買っておけば、モールが完成した数年後には地価が跳ね上がり、4,000万円で転売できますよ!」

Aさんは「これはすごい情報を聞いた!」と興奮し、利回りが低くて毎月のキャッシュフローが赤字になることを承知の上で、将来の売却益(キャピタル)だけを当てにしてフルローンでこのアパートを購入しました。

【なぜ失敗したのか】
購入から3年後。できるはずのショッピングモールの工事は一向に始まりません。Aさんが市役所の都市計画課に直接問い合わせてみると、全く別の恐るべき真実が発覚します。
「ああ、あの北口の計画案ですね。確かに地元の商店街からそういう要望書は出ていましたが、地権者(土地の所有者)の反対が強くて、5年前から計画は完全に凍結されています。市の予算も付いていませんよ」

不動産屋が言っていた「計画」とは、行政が決定した公式なものではなく、ただの「地元の願望(単なる噂レベル)」だったのです。結局ショッピングモールは建たず、Aさんが買ったアパートはただ古くなっていくだけ。毎月のローンの赤字(マイナスキャッシュフロー)に耐えきれなくなったAさんは物件を手放すことになりますが、地価は全く上がっていないため、売却価格は2,500万円にしかなりません。売却損と毎月の赤字で、Aさんはトータル数百万の甚大な損失(借金)を背負うことになりました。

これが「インカム(毎月の家賃収入)を無視し、不確実なキャピタル(噂レベルの開発)だけに賭けた投資」の末路です。再開発の情報は、必ず先ほど挙げたような「国や市が公式に発表している文書(予算がついているか)」で裏付けを取らなければ、絶対に信用してはいけないのです。

成功例

最後に、一次情報に基づく緻密なリサーチと、不動産投資の基本(インカムの確保)を両立させた、プロ投資家による鮮やかな再開発投資の成功シミュレーションをご紹介します。

「行政の都市計画図」から読み解いたBさんの勝利

投資家のBさんは、毎週末、様々な自治体の「都市計画図」と「道路計画図」をネットで睨みつけるのが日課でした。ある日、都心から電車で40分ほど離れた、全く無名のローカル駅(各駅停車しか停まらない不便な駅)である△△駅の都市計画図に、小さく赤い線が引かれているのを発見します。

それは「都市計画道路(広域幹線道路)の延伸計画」でした。詳しく行政の入札情報を調べると、長年止まっていたその道路の土地買収が急激に進んでおり、あと3年で△△駅の目の前を通り、隣のターミナル駅まで完全に貫通(直結)する予算が組まれていたのです。さらに、鉄道会社のプレスリリースには「3年後のダイヤ改正で、△△駅から都心への新型車両の導入」が小さくアナウンスされていました。

「この道路が開通し、新型車両が走れば、この無名な駅は化ける」。そう確信したBさんは、△△駅から徒歩10分の場所で売りに出されていた「ボロボロの築30年・木造アパート」に目をつけます。家賃は相場より安く、物件価格は1,500万円。現状の家賃でも「表面利回りで12%」が回る、インカムゲインとしても十分合格点の物件でした。

Bさんはこのボロアパートを持ち前の現金と少額のローンで購入。簡単なリフォームを行いながら、毎月「手残り5万円」の確実なキャッシュフローを得ながら、じっとその時を待ちました。

【3年後、街が激変する】
Bさんの読み通り、3年後に巨大なバイパス道路が開通。車のアクセスが劇的に良くなったことで、駅前に大手スーパーやファミレスが次々と出店しました。さらに鉄道会社が新型車両を導入したことで、「都心に通勤しやすく、駅前が便利になった穴場エリア」として、テレビの不動産特集で取り上げられたのです。

若いファミリー層からの賃貸需要が爆発し、Bさんのアパートの家賃相場も1部屋あたり1万円上昇。満室稼働が続く超優良物件へと変貌しました。そして購入から5年後、「このエリアでアパートを探している高属性の投資家がいる」と仲介会社から連絡が入ります。家賃収入(利回り)が上がったことと、街自体の地価が上昇したことが掛け合わさり、なんと「2,500万円」で売却することに成功したのです。

Bさんは、5年間にわたって受け取った毎月の家賃収入(インカムゲイン・数百万円)と、売却時の差額利益(キャピタルゲイン・1,000万円)の「両取り(ダブルインカム)」という、不動産投資における究極の大勝利を収めたのでした。

まとめ

再開発による地価上昇(キャピタルゲイン)は、不動産投資に一攫千金の夢をもたらす強力なブースターです。しかし、「駅前が綺麗になるらしい」「新しい線路ができるらしい」という週刊誌やネットの噂レベルの情報で物件を高値掴みすることは、ただの愚かなギャンブルに過ぎません。

将来値上がりする地域を確実に見つけるためには、行政が発行する「都市計画マスタープラン」や、鉄道会社の「中期経営計画」といった、退屈で難解な【一次情報(公式文書)】の山から、街の血管(インフラ)と肉付け(用途地域)が変わる決定的なサインを自力で読み解くリサーチ力が不可欠です。

そして何より重要な成功の鉄則は、「万が一、再開発が中止になったり延期になったとしても、現状の家賃収入(インカムゲイン)だけで十分に借金が返済でき、生活が成り立つ物件」を買うことです。
キャピタルゲインはあくまで「ボーナス」であり、「毎月のキャッシュフローが回る(インカムで負けない)」という鉄壁の防御力を持った物件で待ち構えること。これこそが、再開発エリア投資で大火傷をせずに、莫大な利益の果実だけを安全に刈り取る、プロの投資家の真髄なのです。


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