月5万円のキャッシュフローを作る不動産投資戦略
「不動産投資で毎月5万円の不労所得(キャッシュフロー)を手に入れる」。これは、これから不動産投資を始めようとする多くのサラリーマンや公務員にとって、最初の、そして最も現実的でワクワクする目標地点です。
たかが5万円と侮るなかれ。毎月確実に5万円が給料とは別に指定の銀行口座に振り込まれ続ける状態というのは、あなたの人生の「選択の自由度」を劇的に押し上げます。年間で60万円、10年で600万円の現金です。少し豪華な家族旅行に行けるようになり、車のローンを不動産の収入で賄えるようになり、将来への漠然とした不安がスウッと消えていくのを実感できるはずです。さらに言えば、この「最初の5万円」を自力で生み出すための知識と経験(ゼロからイチを作るプロセス)こそが、将来的に月50万円、月100万円の巨大なキャッシュフローを構築するための「完全な縮図(マスターキー)」となります。
しかし、目標としては非常にポピュラーな「月5万円」ですが、実は「どのエリアで、どんな物件を、どれくらいの資金で買うか」によって、その達成までの道のり(難易度や必要な自己資金)は全く異なります。本記事では、約の特大ボリュームで、「月5万円の家賃収入(税引き前現金)」を手元に残すために必要な投資の『規模感』を算出した上で、「都心」「郊外」「地方」という3つのエリア別の達成プランをどこよりも具体的にシミュレーションします。さらに最後には、限られた自己資金から最も無駄なく、最速で目標を達成するための「初心者の最短ルート」をズバリ提示します。この記事を読めば、あなたの次のボーナスの使い道と、向かうべき投資の方向性が完全にハッキリするはずです。
必要な規模
具体的なエリア別プランに入る前に、まずは「月5万円(年間60万円)」のキャッシュフローを手元に残すためには、一体どれくらいの規模(物件価格や家賃収入ベース)の不動産を買わなければならないのか、という「数字のゴール」を逆算して把握しておく必要があります。
「家賃収入=手残り」という巨大な勘違い
不動産投資の初心者が最も陥りやすい罠が、「家賃5万円の部屋を全額現金で買えば、月5万円のキャッシュフローが完成する」という恐ろしい勘違いです。
不動産の家賃収入からは、毎月必ず「ランニングコスト(経費)」が強制的に引かれます。具体的には、管理会社へ支払う管理委託手数料(家賃の約5%)、共用部の電気代や清掃費、そして年1回支払う固定資産税・都市計画税、さらに退去に備えた自戒のための修繕積立金などです。
一般的に、これらの運営経費の合計は「満室時家賃収入の約20%〜30%」を占めます。つまり、ローンを使わずに現金で物件を買ったとしても、手元に残る現金(ネット・オペレーティング・インカム:NOI)は家賃の70%〜80%程度に縮小してしまうのです。
ローン(融資)を使う場合の目標規模
さらに、多くの人は手元の自己資金だけではなく、金融機関から融資(アパートローン等)を引いて物件を購入します。経費を引いたあとの利益(NOI)から、さらに毎月の「ローン元本と利息の返済」という最も巨大なコストが引かれ、その最後に残った搾りかすのような現金が「手残り(税引き前キャッシュフロー=CF)」となります。
現在の一般的な銀行の融資条件(金利1.5%〜2.5%、期間20年〜30年で物件価格の9割を借りた場合)を前提としてシミュレーションすると、手元に月5万円(年間60万円)を残すためには、目安として**「物件価格で2,000万円〜3,000万円規模」**、あるいは**「満室想定の年間家賃収入で250万円〜300万円規模(月額家賃20万円〜25万円)」**の不動産を取得し、平均以上の利回り(表面利回りで8%〜10%以上)で運用することが必要になります。この「総額2000万円・利回り8%の箱」を手に入れるために、どのようなルートを辿るべきかを、エリア別に見ていきましょう。
都心プラン
「資産価値が落ちない安全な場所で固く投資をしたい」と考える人が真っ先に思い浮かべるのが、東京23区や大阪市中心部などの「超一等地の都心プラン」です。しかし、都心で月5万円のキャッシュフローを作るのは、想像を絶する茨の道となります。
圧倒的な「低利回り」とマイナスキャッシュフローの壁
人口が集中し、賃貸需要が極めて強固な都心の物件は、空室リスクが全エリアの中で最も低いという絶対的なメリットがあります。しかしその反面、物件価格が異常なまでに高く、結果として「表面利回り」が絶望的なまでに低くなります。
例えば、東京23区内の築浅中古ワンルームマンション(2,500万円)を購入しても、取れる家賃は月に10万円程度です。表面利回りは4%〜5%しかありません。この利回りで銀行からフルローン(または頭金1割程度)を組んでしまうと、毎月の家賃収入から管理費・修繕積立金、固定資産税を払い、ローン返済を行うと、毎月のキャッシュフローは「マイナス1万円〜トントン(ゼロ)」になってしまいます。
つまり、都心のワンルームマンションを融資を使って何戸買い進めても、いつまで経っても月5万円のプラスの現金を生み出すことはできないのです。
都心で月5万を作るための「現金投下(無借金)」戦略
したがって、都心プランで月5万円のキャッシュフローを作るための現実的な唯一の正解は、「借金をしない(融資を使わない)」ことです。
手元に【1,000万円〜1,500万円】の使い道のない豊富な貯金がある場合、その全額を投じて「都心部の中古ワンルームマンション(できれば築20年程度の値下がりしきった底値の物件)」を【全額現金一括】で購入します。ローン返済の重圧がないため、家賃8万円の部屋であれば、経費を差し引いた約6万円が毎月丸々キャッシュフローとして手元に残ります。莫大な資金力がある人(属性の良いエリート層や退職金をもらった人)だけが選べる、究極の「安全かつローリターンプラン」です。
郊外プラン
次にご紹介するのが、東京であれば多摩地域や埼玉・千葉・神奈川の中核都市、地方であれば県庁所在地から電車で少し離れたベッドタウンを狙う「郊外プラン」です。不動産投資の王道であり、最もバランスの取れた主戦場です。
「中古の木造一棟アパート」で一気に達成する
郊外エリアの最大の魅力は、都心に比べて土地値が安いため、同じ2,000万円〜3,000万円の予算でも「区分マンション1室」ではなく「木造の一棟アパート(4室〜6室)」が買えるという点にあります。
例えば、駅から徒歩15分圏内の郊外にある「築15年〜20年の中古木造アパート(価格2,500万円、表面利回り9%〜10%)」をターゲットにします。この利回り水準であれば、銀行のローン(例えば金利2.0%、期間20年など)を利用して購入しても、家賃収入とローン返済額の間に十分な「利ざや(スプレッド)」が生まれます。
仮に自己資金を物件価格の1割〜2割(300万〜500万円)と諸費用(約200万円)の合計500万〜700万円ほど投入できれば、ローンの借入額が減少し、毎月の返済後キャッシュフローが「プラス5万円〜8万円」へと跳ね上がります。つまり、郊外の優良な中古アパートを【たった1棟】購入するだけで、あなたの目標である月5万円は一撃で達成されるのです。もちろん、退去リスクや設備の修繕リスクは都心より上がりますが、複数の部屋(4〜6室)を持っていることで、1部屋が空室になっても他の部屋の家賃でローンを返済できるという「リスク分散効果」が働くのが一棟アパート最大の強みです。
地方プラン
最后に、人口減少リスクはあるものの、物件価格が驚くほど安く「超高利回り」が狙える、車社会の地方都市や過疎地寄りのエリアを攻める「地方プラン」です。
「ボロ戸建て投資」による小資金ハイリターン戦略
手元の自己資金が「200万〜300万円」しかなく、銀行からの融資も引けない(または引きたくない)初心者が月5万円のキャッシュフローを作るための最強の抜け道、それが近年ブームとなっている『地方築古戸建て投資(ボロ戸建て再生)』です。
地方の郊外に行けば、築40年以上で長年空き家になっているようなボロボロの戸建てが、「100万円〜200万円」といった信じられないような激安価格(時にはタダ同然)で売りに出されています。これを【現金】で買い叩き、さらに自分自身の労力を極限まで投入して(DIYで壁紙を貼ったり、知り合いの安い大工に頼み込んで)100万円以内で最低限人が住めるレベルまでリフォーム(再生)します。
合計200万〜300万円の総投資額で仕上がった戸建てを、家賃「5万円〜6万円」で地元のファミリー層や生活保護受給者、あるいは外国人労働者向けに貸し出します。戸建てはアパートに比べて「圧倒的に一度入居するとなかなか退去しない(入居期間が長い)」という最強のメリットがあり、しかも現金買いなのでローン返済のマイナスがありません。この「仕入れからリフォームまでの壮絶な手間と泥臭い労力」を惜しまない覚悟がある人であれば、たったの数百万円という現金の投下で、目標とする「月5万円のキャッシュフロー」を最も短い期間で叩き出すことができます。
最短ルート
ここまで「都心(現金区分)」「郊外(一棟アパート)」「地方(ボロ戸建て)」の3つのプランを見てきました。それぞれの戦略には一長一短がありますが、これから不動産投資を始める普通のサラリーマン(手持ち資金300万〜500万円程度、年収500万〜800万円程度)が「最も安全」かつ「最も効率的」に月5万円のキャッシュフローを達成し、さらにその先の規模拡大(月50万、100万)を見据えるとしたら、一体どのルートを進むべきでしょうか。
資金300万円からの「王道」突破シナリオ
私見を交えたプロとしての結論。最短かつ王道のルートは、「最初の現金300万円〜500万円を死に物狂いで貯め、融資を使って【郊外の築古アパート1棟】を買うこと」です。
都心の現金買いは必要資金(1000万円以上)が大きすぎて最初のスタートラインに立つまでに何年も時間を浪費してしまいます。地方のボロ戸建て投資は少額で超高利回りを叩き出せますが、「DIY」や「クセの強い業者交渉」といった不動産投資以外の肉体労働・特殊スキルの側面に大きく依存しており、本業が忙しいサラリーマンが複数棟を横展開(スケール)していくのには限界が来ます。
一方、郊外の中古一棟アパート(価格2000万〜3000万円、利回り10%前後)であれば、「金融機関との融資交渉」「管理会社による完全なお任せシステム(自動化)」「複数入居者による空室リスクの分散」という、不動産賃貸【事業】の神髄をすべて網羅的に学ぶことができます。自己資金を頭金として投入し、日本政策金融公庫や地元の信用金庫から融資を引き出すことができれば、その1棟を買った瞬間から、あなたの目標である「月5万円〜8万円のプラスのキャッシュフロー」は文字通り【自動で】回り始めます。
手に入れた月5万円の家賃収入を生活費で散財してはいけません。これをそのまま貯蓄口座にプールし、本業の給料からの毎月数万円の貯金と掛け合わせるのです。そうすれば、年間100万円以上の現金を爆発的なスピードで生み出す「無限のエンジン」が完成します。その貯まった現金を使って2棟目、3棟目のアパートを買っていく。この『融資のレバレッジ』と『現金の再投資』のサイクルに乗ることこそが、月5万円の目標を通過点とし、さらなる高みへと上り詰めるための、唯一にして最強の「最短ルート」なのです。